転職したいのになぜか踏み出せない人の５つの心理｜原因と具体的な対策法まで徹底解説！

「転職したい」と思いながら、なぜか行動に移せない。そんな悩みを抱えていませんか？

転職への不安や躊躇は自然な感情であり、社会人の多くが同じ心理を抱えています。しかし転職したいのに転職をしないという状態は、キャリアの成長や充実した人生を実現する上で望ましくないことは明らかですよね。

この記事では、実際にブラック企業からホワイト企業への転職を成功させた筆者が、転職に躊躇してしまう心理や原因を徹底解説します。

すぐに行動に移せなくても大丈夫です。転職の一歩を踏み出すための具体的な方法も紹介しているので、あなたのペースで転職活動に取り組んでいきましょう！

転職したいのに転職しない人の心理的要因５つ

転職したいのに転職しない背景には、５つの心理的要因が存在します。これらを正しく理解し克服することが、転職活動を始める第一歩になるでしょう。

① コンフォートゾーンから離れることへの不安

コンフォートゾーンとは、人が心地よさや安心感を感じる状況や環境のことを指します。多くの人が、このコンフォートゾーンから抜け出すことに大きな抵抗を感じます。転職を考える上では、「今の職場」がこのコンフォートゾーンに該当します。

現在の職場環境、同僚との関係、日々の業務の流れなどは、すべて馴染みのあるものですよね。たとえ不満があったとしても、「コンフォートゾーン」として多くの人は認識します。

一方で、転職は未知の領域に足を踏み入れることを意味します。新しい環境、新しい人間関係、新しい業務内容など、すべてが不確実性に満ちています。この不確実性が、多くの人に不安や恐れを引き起こすのです。

コンフォートゾーンから抜け出す方法としては、小さな変化から始めることが効果的です。例えば、仕事終わりに新しい趣味を始めてみたり、転職に直結することでいえば、転職サイトや転職エージェントに登録してみるのも良いでしょう。

転職をしたことがない人にとっては、転職活動自体も未知の領域で不安を感じますよね。そんな方はぜひ以下の記事もお読みください。転職活動の全体像を詳細に解説しています。

② 損失回避バイアスによる過大な転職への恐れ

損失回避バイアスとは、潜在的な利益よりも潜在的な損失を過大評価しがちという人の心理のことです。転職の文脈では、この心理が新しい挑戦を躊躇させる大きな要因となっています。

損失回避バイアスが働くと、転職に伴うリスクが実際以上に大きく感じられます。例えば、「新しい職場で上手くいかなかったらどうしよう」「今の安定した収入を失ってしまうかもしれない」といった不安が、前面に押し出されてしまいます。

一方で、転職によって得られる可能性のあるメリット、例えばキャリアアップの機会や、より充実した職場環境、高い報酬などは、相対的に軽視されがちです。このバランスの崩れが、転職への一歩を踏み出すことを難しくしているのです。

しかし、失敗を恐れるあまり行動しないことの方が、長期的には大きなリスクとなります。このバイアスを克服するためには、情報収集を行うことが一番です。転職に関する不安や懸念を書き出し、それぞれが実際にどの程度のものかを冷静に分析してみましょう。

また、転職によって得られる可能性のあるメリットにも目を向けることが重要です。キャリアの成長、新しい経験、より良い労働環境など、転職がもたらす潜在的な利益を具体的にイメージしてみましょう。

③ 同じ環境で働き続けたことでの自己効力感の低下

自己肯定感とは、目標に対して「自分ならきっとできる」と信じることができる認知能力のことを言います。転職を考える上で、この自己効力感の低下は大きな障壁となります。自分には新しい環境でやっていける能力がないのではないか、という不安が転職への一歩を踏み出すことを妨げているのです。

例えば、長年同じ職場で働いていると、自分の市場価値や他社での通用性に疑問を感じるようになることがありますよね。現在の職場で評価されていないと感じたり、失敗経験が積み重なったりすることで、自信を失っていく場合もあるでしょう。こうしたことから自己効力感の低下は引き起こされます。

自己効力感を上げるには、小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。例えば、新しいスキルの習得に挑戦したり、社内で新しい役割を担ったりすることで、自信を取り戻すきっかけになるかもしれません。

また、無料で利用できる転職エージェントやキャリアカウンセラーに相談することも、自己効力感を高める一つの方法です。専門家の客観的な意見を聞くことで、自分では気づいていなかった強みや可能性を発見できるかもしれません。

完璧を求めすぎないことも大切です。誰もが最初から全てを完璧にこなせるわけではありません。新しい環境に適応し、成長していく過程そのものが、キャリアの一部だと捉えることで、自己効力感の低下による転職への躊躇を乗り越えることができるでしょう。

④ サンクコスト効果による積み上げたキャリアを捨てることへの抵抗感

サンクコスト効果とは、すでに投資した時間や労力を無駄にしたくないという心理です。転職という文脈では長年勤めた会社での経験やスキル、築き上げた人間関係などを「捨てる」ことへの抵抗感を指します。

将来に関する意思決定を行う場合は、過去に費やしたことは考慮に入れず、今後のことだけを考えることが合理的な判断です。

サンクコスト効果を克服するためには、現状に留まることのデメリットと、変化することのメリットを具体的にリストアップし比較してみましょう。長期的な視点で考えることで、変化しないことへの危機感が湧き、転職に踏み出すきっかけになるかもしれません。

⑤ バンドワゴン効果による転職しない同僚への同調

バンドワゴン効果とは、自分の判断よりも”社会の多数である他人”の判断を信じて、それに従った行動をしてしまう心理です。社会的証明の原理とも言います。職場においては、「同じ職場で働いている多くの同僚が辞めていないのだから、私も辞めなくても大丈夫だろう」という形でバンドワゴン効果が働きます。

転職はキャリア形成やその後の人生に大きな影響を及ぼすことであり、判断を他人に依存するべきではありません。

バンドワゴン効果を回避するには、「自分のキャリアや人生は自分で決める」という強い意志を持つしかありません。なかなか自分の意志で転職すべきかを判断できないという方は、判断する軸・基準を明確にすることが有効です。例えば、自分にとって大切な職場の条件を3つに絞り、それに基づいて現在の職場を評価するなど、決断の基準を明確にすることで、より客観的な判断ができるようになるでしょう。

転職したいのに転職しない人の心理面以外の要因

転職したいと分かっていても転職に踏み出せない理由には、心理面以外にも多くの要因が存在しています。ここではその一例を紹介します。

① 時間や体力の余裕のなさ

転職活動は仕事終わりや休日の合間を縫って進めることになるため、人によっては時間や体力面が転職の大きな障壁となる場合もあるでしょう。特にブラック企業のように長時間の残業や休日出勤が日常化している環境では、転職活動に充てる時間を充分に確保することは極めて困難になります。

転職活動では、情報収集や自己分析、履歴書の作成など意外とやることが多く想像以上に時間と手間がかかります。時間の確保が難しい場合は、転職エージェントの活用を検討してみましょう。時間的制約がある中で効率的に転職活動を進めるには、専門家のサポートが大きな助けとなります。

転職エージェントは、求人の紹介や応募書類の添削、企業との面接日程調整など転職に関するあらゆる手間を減らしてくれる心強いサービスです。全て無料で利用できるため使わないと絶対に損ですよ！

② お金の面での不安

転職を考える上で、経済的な不安は大きな障壁となります。特に、現在の生活レベルを維持できるかどうかという点で、多くの人が悩みを抱えています。

新しい職場での給与が現在よりも低くなる可能性や、賞与の有無、各種手当の違いなど、収入面での不確実性が高くなります。特に、家族を養っている場合や、住宅ローンなどの固定支出がある場合は、この不安がより大きくなるでしょう。

しかし、経済的な不安があるからこそ、長期的な視点で自分のキャリアを考えることが重要です。現在の収入に固執するあまり、転職による年収アップや将来的なキャリアアップの機会を逃してしまう可能性もあるからです。

また、転職活動をするだけならほとんどお金はかかりません。かかるとしても履歴書の購入費用や面接のための交通費程度です。実際に転職するかどうかの判断は内定を貰ってからでもできますので、まずは求人の調査だけでも転職活動にチャレンジしてみることをおすすめします。

③ 家族や友達が反対している

転職を考える上で、周囲の意見、特に家族や友人の反対は大きな障壁となることがあります。身近な人からの反対は、自分の決断に対する不安を増幅させ、行動を躊躇させる要因となりやすいです。

家族からの反対の背景には、多くの場合、転職によるリスクへの懸念があります。特に、主な収入源である場合、転職による収入の変動は、家族全体の生活に直接影響を与えるでしょう。そのため、「今の安定した仕事を辞めるなんて」という声が上がりやすいです。

しかし、重要なのは、最終的な決断は自分自身で下すということです。周囲の意見は参考にしつつも、自分のキャリアは自分で責任を持って選択する必要があります。自分の将来のために何が最善なのかを冷静に判断することが大切です。

④ 転職の仕方がよく分からない

転職を考えている多くの人が直面する問題の一つに、転職の具体的な進め方がわからないという点があります。転職活動の全体像が見えないことで、第一歩を踏み出せずにいる人が多いです。

転職活動には、履歴書や職務経歴書の作成、企業研究、面接対策など、さまざまなステップがあります。これらの一つ一つが初めての経験だと、何から始めればいいのか戸惑ってしまいますよね。

そんな方のために、転職の全体像を以下の記事で分かりやすく整理しているので、ぜひ参考にしてください。

転職したくてもできない状況を変える方法

ここでは転職したくてもできない状況に陥っている人に向けて、そこから抜け出すための方法を紹介します。状況を変えるためには、具体的な行動と心構えの両方が重要です。

① 自己分析を行い自分のキャリアを考える

転職を成功させる第一歩は、自己理解を深めることです。自分の強み、弱み、価値観、そして本当にやりたいことを明確にすることで、転職の方向性が見えてきます。

自己理解を深めることで、単に「今の仕事から逃げたい」という消極的な動機ではなく、「こんな仕事がしたい」という積極的な目標を持つことができます。これは転職活動の大きな原動力となり、面接などでも説得力のある自己アピールにつながります。

自分自身をよく知ることは、転職に限らず人生の様々な場面で重要です。時間をかけて丁寧に自己分析を行うことで、より充実したキャリアへの第一歩を踏み出すことができるでしょう。

② 転職活動を小さな一歩から始める

転職活動は必ずしも一気に大きな変化を起こす必要はありません。小さな一歩から始めてみましょう。

具体的には、転職サイトに登録して求人情報を閲覧したり、履歴書を書いてみるなど、数分でできることから始めてみると良いでしょう。些細なことでも、行動を起こすことで状況が変わり始め、きっと次の行動につながります。

転職活動は一般的に３か月程度の時間がかかるため決して楽なことではありませんが、一度動き出してしまえば案外あっという間にできるものでもあります。まずは最初の一歩を踏み出してみましょう。

③ 転職のプロに相談する

どうしても転職に踏み出せない方は転職のプロに相談するという選択肢も考えてみましょう。転職を考える上で、専門家のアドバイスを受けることは非常に効果的です。転職エージェントのキャリアアドバイザーなどのプロフェッショナルは、豊富な経験と知識を持ち、あなたの転職活動を効果的にサポートしてくれます。

転職エージェントは全て無料で利用できて、登録もたったの数分で完了します。登録が完了した後は専任の担当者から連絡が来るため、それに返事をしていくだけで、転職活動を進めていくことができるでしょう。

転職エージェントの選び方や使い方のコツを以下の記事でまとめていますので、ぜひお読みください。

転職したいのに転職しないことのリスク

転職を考えながら行動に移さないことには、多くのリスクが伴います。ここでは転職をしないことで生じるリスクの一例を紹介します。

① キャリアが止まって市場価値が下がる

同じ環境に長く留まることで、スキルや経験が時代遅れになり、市場価値が低下するリスクがあります。特に、めまぐるしく変化する現代においては、このリスクは特に考慮すべきでしょう。

どんな会社でも通用するスキルや経験を得ることが大切です。今の職場での仕事のやり方が古く感じたり、潰しがきかないスキルだと感じる場合には転職を考えた方が良いでしょう。

市場価値の維持・向上は、長期的なキャリアの成功に不可欠です。仮に現在の環境に満足していたとしても、常に自己投資を続け、市場と比較して自分がどの程度のポジションにあるかを意識することが重要です。

② 将来の選択肢が減ってしまう

転職のタイミングを逃し続けることで、将来的なキャリアの選択肢が徐々に狭まってしまうリスクがあります。これは、長期的なキャリア満足度や成功に大きな影響を与えます。

実際、年齢が上がるにつれて転職のハードルはどんどん高くなっていきます。もちろん年齢に見合った高いスキルを持った人であれば転職することは比較的容易ですが、スキルがなければより若手の採用が優先されるのは仕方のないことだと言えます。

将来の選択肢を広く保つためにも、転職したいと考えたときには、ぜひ転職にチャレンジしましょう。複数の会社を経験することで市場に求められるスキルレベルが判断できるようになりますし、その経験自体があなたの強みにもなるでしょう。

③ チャレンジしなかったことを後悔してしまう

人生で最も後悔するのは「チャレンジしなかったこと」だと言われています。転職しなければ、あなたの会社の先輩社員の姿が将来のあなたの姿です。そうなったとき、仕事の内容や収入には満足している姿が想像できるでしょうか？

転職活動は始めたからと言って取り返しがつかない失敗をすることはありません。実際に転職するかどうかは内定を貰ってからでも判断できるので、まずは気軽に転職活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ：転職への一歩を踏み出すために

転職したいのに転職活動に踏み出せないという状況は、多くの人が経験する共通の悩みです。しかし、充実したキャリアと人生を実現するためには、この状況を乗り越え、第一歩を踏み出すことが何より大切です。

あなたがもし少しでも転職したいと考えているなら、まずは小さなことでもいいので行動を起こしましょう。何から始めればいいか分からない方は、以下の記事で「失敗しないための転職ロードマップ」をまとめているので、そちらを参考にアクションを起こしてみてください。

あなたが転職への一歩目を踏み出せることを、心から応援しています。